生徒達にとって一番嫌な練習、それは、柔軟体操です。
けがを防ぐためには、そして、高い難度のダンステクニックをマスターするためには、身体中の関節の可動域が広いこと(やわらかいこと)は必要不可欠です。その中でも特に股関節はもっとも大切なところです。
茅ヶ崎高校チアリーデイング部の生徒達はほとんど全員が初心者、高校生になってダンスを始めた子達ばかりです。ですから、体ができあがる前の小さな子供達とちがい、股関節を柔らかくする練習の痛みは相当なものです。もともと、体のやわらかい子もいますし、人一倍硬い子もいます。でも、柔軟体操は個人差はあっても、所詮、痛みにどれだけ我慢できるか、地道な練習をどれだけ毎日できるか、という自分との戦いに他なりません。
28日の演技の中に、脚を高くあげる「ラインダンス(キックライン)」が入っています。
先日、そのためのテストをしました。股関節がどれだけやわらかくなっているかを、私の前で見せるのです。私が指示したとおり、毎日、練習をしていれば、きれいな前後開脚(股割り)ができるはずです。しかし、実際には前後開脚が、未だにできない子たちがいます
全員の前で叱りました。 親にさえも言われたことがないかもしれない、きつい言葉をあびせました。
人間は、実は公平ではありません。人それぞれ違った資質を持っています。同じ事でもすぐできてしまう子も、なかなかできない子もいます。でもそれは努力や練習で補うことも、覆すこともできるのです。そして、できたときの喜びは、なかなかできなかった事の方が大きいはずです。その喜びは次へ進む大きな推進力となって更に前へ、高みへ導いてくれます。ダンスがうまくなるのに一番必要な才能は(それは他のスポーツでも同じだと思いますが)「うまくなりたい。」と強く思える事です。そしてそれに必要なことを忍耐強くやれる事です。それは少しばかりの身体能力の高さよりも、断然価値のあるものです。
以前、こんなエピソードを本で読んだことがあります。ハワイの大学では、バスケットの花形選手だった元横綱・曙さんも、入門当時、「股割りには相当、苦しめられた。くじけそうになるたびに師匠に竹刀で打たれた。
後に、曙さん曰く「あの竹刀の音は、強くなれ、強くなれ、といっているように聞こえた。」
私の言葉の竹刀を、生徒たちはどう受け止めてくれたのでしょうか?
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