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第14話 アメリカの心(その1)
 私はチアリーダーとして様々なスポーツの試合で演技をさせて頂きました。でも、野球の試合で演技をさせていただけるというのは、特別な意味を持ちます。

  アメリカのチアリーダーを見てチアリーダーになることを決意した私にとって、アメリカは夢と希望の国でした。そのあこがれの国、アメリカにあって、野球はまさに「国技」。アメリカ人の生活にかかせないものなのです。もちろん、アメフトが好きな人、ホッケーが好きな人、バスケットボールが好きな人、日本と同じように、いろいろなジャンルのスポーツがあり、人々の好みも様々です。でも日本においての相撲や柔道のように、何か特別な存在価値のあるもののような気がしてなりません。

 ナ・リーグ優勝決定シリーズ「ヤンキース」対「レッドソックス」の第5戦は延長14回5時間49分に及ぶ大熱戦。その中継番組の視聴率はレッドソックスの地元ボストンにおいては53.5%という驚異的な数字だったそうです。さらに、レッドソックスの優勝パレードには全米中から約320万人の人々が集まった、と報道されていました。ボストンの人口が約60万人ですから、その人の数がどれほどすごいものであったか、想像できます。(「ベーブルースの呪い」とか、話題性があったことも関係しているでしょうけれど)   全米に野球をテレビ中継するフォックス・スポーツの会長は「野球は過去の娯楽ではない」とコメントしたそうです。

 アメリカには、とても多くのボールパーク(野球場)があります。小さな町でも、見渡す限りトウモロコシ畑が続くような農村でも、車をしばらく走らせると、すぐにボールパークが見えてきます。休みの日になると、ボールパークにはたくさんの人が集まり、にわかにお祭り会場のようになります。子供達の野球の試合を見に来ているお父さんも、そして、お爺さんも、何十年か前には、その同じボールパークで白球を追っていたのです。

 アメリカの高校生は日本と違い、いろいろなクラブに所属することができます。野球チームに所属しながら10月から12月まではバスケットボールの、そして1月から3月はアメリカンフットボールのそれぞれのチームで活躍をしているというスーパー高校生も少なくありません。

  私が学生の時にお世話になったおうちでは、お母さんは熱烈な共和党支持者で、地元の教会の婦人部の幹部、しかも教育委員会の評議員までしている、まさに典型的なWASP(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタントの略。アメリカ社会の上層部を占めると言われている)の誇り高い女性でした。その彼女が毎朝、テレビのニュースでチェックすること、それは、共和党情報でも、有名な牧師の説教でも、為替の動きでもありません。地元ロサンジェルスのプロ野球チーム「ドジャース」の試合結果です。信じられないような本当の話です。
<2004-11-30>
 
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