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第27話 『○○は死ななきゃ治らない!?』
食事をしていた時、急に歯の痛みを感じ、仕事の帰りに歯科医院に行きました。

いろいろな検査の後、歯科医師が言った言葉は
  「磨耗ですね!」
  「磨耗?」――――急に、そのようなことを言われても、ピンときません。

医師の説明によると、あまり強く、そして、長く歯を噛み締めたために、
私の歯の 表面は、すっかりと平たくなってしまっているというのです。

 チアリーダーもダンサーも、どんなに苦しくなっても、どんなに疲れてきても、それを表情に出してはいけません。肩で息をするなど、もってのほかです。まだ若いときに、よく先生から教えて頂いた方法は、鼻ではなく口を使っての呼吸法でした。  まず、口で大きく息を吐く。そうすると、次には口でたくさんの息を吸う事ができます。でも、その呼吸法では、体が前後に大きく動いてしまいます。それを見せないために、一番有効であったのが、奥歯を強くかみ締めるという方法だったのです。  その方法で25年という長い年月、チアリーダーを務めてきた私の歯は、そんなふうになっていたんです!

 子供の頃、先生から、プロ野球の選手の奥歯には溝がない、という話をうかがったことがあるのを思い出しました。インパクトの瞬間の大きな衝撃に耐えるために、奥歯を強くかみ締めるからだ、という説明もうかがいました。 厳しい勝負の世界に生きておられる選手のみなさんと同じ名誉の負傷(?)を、ちょっとうれしく、誇らしく思いました。

 ダンスは重力との戦い。少しでも高く、少しでも長く跳躍をするために、日々、トレーニングを重ねます。長い年月練習をしていれば、当然体のあちらこちらに故障が出てきます。25年間、酷使し続けた私の体は、今ではもう、ボロ雑巾のようです。
 立っていることも、座っていることもできず、ただ、痛みをこらえるだけ―ということもよくあります。それなのに少しでもコンディションが良くなれば、また、自分の娘と年のかわらない若いメンバー達と練習がしたくなってしまいます。
 私のダンス中毒は、きっと、残念ながら死ぬまで治らないのだと思います。
 
<2005-02-13>
 
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