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第33話 『グレープフルーツリーグ』
 「息子に野球をやっている姿を見せられてよかったです。」

 2004年度のマスターズリーグ ―――優勝した札幌アンビシャスの選手のおひとりが表彰式の時のインタビューにこたえて、こうおしゃいました。お父さんの格好いい姿を見て誇らしげに笑みを浮かべる、その選手の坊やのかわいらしい姿が目に浮かぶようで、暖かな、うれしい気持ちになりました。

  私が43歳の今まで、ダンスを続けているのは、やはり、同じような思いがあったからだと思います。
  第23,24話でも書きましたとおり、私にはふたりの子供がいます。私のおなかの中にいた時から、私と一緒にランサーズの練習に参加していた子供達。
ふたりの目に、「母親の一番輝いている姿を見せておきたい。」心の中で、いつでも、そう願っていたように思います。

  家で振り付けをしていると、ちっちゃな手足を一生懸命に動かして、メンバーの誰よりも早く、それを覚えて踊っていた私の娘。その子がこの2月に15歳になりました。今では、私よりも背が高くなり、すっかり大人っぽくなりました。そして、私の知らなかった新しいジャンルの踊りを私に教えてくれるようにもなりました。近い将来、同じフロアで一緒に踊れる日がくることが楽しみでなりません。

3月1日、アメリカ大リーグでもオープン戦が始まりました。
  フロリダ州でキャンプを張るヤンキース、マリナーズなど18球団によるオープン戦をアメリカの人たちは、親しみを込めて、フロリダ州の名産グレープフルーツにちなみ「グレープフルーツリーグ」と呼ぶのだそうです。地元の大学チームとも試合が行われ、日本同様、春を待つ地元の人々の楽しい年中行事になっているようです。奪三振王ノーラン・ライアン氏が現役時代、当時、大学生だった彼の息子と投げ合った時の様子は、今でも伝説として多くの人々に語り継がれています。  

尊敬するおとうさんと試合ができたライアン選手の息子さんは、何ものにも変えがたい素敵な贈り物をもらったと思います。また、ライアン選手にとっても、息子との、そのかけがえのない大切な思い出の一こまが、後に引退するまで、彼の心の支えとなっていたことは間違いありません。
  いつの日か、日本でも、プロ野球OB選手チーム対そのジュニア達チーム、などという素敵な対戦が実現したら、素敵だと思うのですけれど―――いかがでしょう?
 
<2005-04-06>
 
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