「うちの子は競技場に行くのが大好きです。でもサッカーのことは何もわかっていません。
ランサーズを見て一緒に踊るのが楽しみなんです」
ランサーズが地元のサッカーチーム「湘南ベルマーレ」の試合で、演技をさせて頂いていた頃、サポーターの方から、こんなお便りを頂きました。
この方のお子さんは、脳性麻痺という障害をお持ちでした。サッカー好きのご両親は彼に健常者の子供と同じようにいろいろなことを経験してほしいと願い、競技場に行く時にはいつでも彼も一緒に連れ出していました。でも、彼の体力と集中力では、サッカー観戦は難しく、ご両親は、サッカー観戦を諦めようとしていました。
そんな時、ランサーズが登場し始め、ランサーズはお子さんのお気に入りとなり、彼のほうから、競技場に行きたがるようになりました―――
という内容のものでした。
私自身、この坊やと同じ年頃の息子を持ち、やはり、「人とちょっと違う」ことで味わわなければならなかった社会の偏見とずっと戦っていました。(私の息子のことは次号で書きます)、ですから、このご家族のことをとても他人事とは思えませんでした。
早速、このお便りのことをランサーズのメンバー全員に伝えました。
いつでも、どのような時でも、心を込めて、精一杯の演技をするよう心がけ、それを実践してくれていたメンバー達。でも、このお便りを頂戴した直後の試合では、チーム全体にいつも以上の緊張感と緊迫感が漂っていました。
みんな、この坊やに、少しでもたくさんの素敵な時間をすごしてほしいと思いました。どこに座っておられるかわかりませんでしたけれど、メンバーひとりひとりが、すぐ目の前に、坊やが座っているつもりで踊りました。
グランドの中に立ち、踊っていると多くの方の笑顔に会います。たくさんの幸せな気分を頂きます。とりわけ、子供達の笑顔は最高の贈り物です。
素直な、真っ白な心も持った子供達は、自分の好きなもの、興味のあるものには、大人よりはるかに大きな反応を示すといいます。いかようにも、染まっていく子供達の、その心に大きく響く演技ができたとしたら、そして、子供達に夢や勇気を与えることができたとしたら―――チアリーダーとして、これほどうれしいことはありません。それこそが、多くの人々の前で演技をすることのできるチアリーダーに与えられた最高の幸せだと思っています。
|