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第44話 『オーストラリア遠征(その2) ――― 世界に響いた「茅ヶ崎」コール 』
「ち・が・さ・き・NO.1、Go,Fight,Win!!!」

 ランサーズの生徒達の大好きな、そして、茅ヶ崎高校生が大好きな「茅ヶ崎コール」がオーストラリアの空にこだましたようでした。

 今回の世界大会には、茅ヶ崎高校以外にも、関東から4校、関西と九州からそれぞれ1校ずつが、参加をしていました。どのチームも日本大会では必ず上位に入る常勝チームばかり。それぞれに、学校の、あるいは地域の期待を背負っての出場でした。 学校は違っても、同じ目標に向かって練習を重ねた者どうしです。日本チームとして、すぐに打ち解け、仲良くなってくれるものと思っていました。 でも、同じ飛行機に乗っていても、同じバスに乗っていても、ホテルの食事会場で同じ空間にいても、学校どうしの壁はなかなか無くなる気配がありませんでした。

練習会場では、茅ヶ崎の生徒達に
「あなたたちの方から声をかけなさい。」
と指示をしました。

  生徒達は元気よく 「お疲れ様でした。」 と時間で交代をする他校の生徒達に声をかけていました。
でも、 「先生、無視されちゃいました‐‐ ―。」 私は悲しくなってしまいました。
 大会当日の朝、日本チームはバス4台に分乗し、大会会場に到着をしました。少し早めの到着です。
同行されていたミスダンスドリルチーム・ジャパンの理事長の発案で、全チームが一緒にウオーミングアップを始めることになりました。このチャンスを逃す手はありません。 私は思わず、選手達の輪の中に入りました。
「みんなは同じチームの仲間どうしです。今日一日、みんなで互いに応援しあいましょう!」

  私が心からの信頼をよせている我ランサーズの名部長Eを呼びました。
「茅ヶ崎コールをみんなに教えて。それから、出場校全部の名前でコールをするのよ。」
  日頃は、おとなしく、自分からはその存在をアピールするこのないE。始めて出会った100人もの他校の生徒たちをリードしてコールをやれ、なんて――さぞや驚き、とまどったことでしょう。

それなのに 「はい。わかりました。」 明るく、そう言うと、輪の中心に立ち、大きな声で言いました。
「皆さん、一緒にコールをやりましょう。私達がやってみせます。その後で一緒にやってみてください。」

  「ち・が・さ・き・No1.Go,Fight,Win」   演技の中で、声を出すのはチアリーデイング部門だけ、チアー以外のカテゴリーに出場する他校の選手たちにとっては、始めての体験。最初はなかなか声がでません。でも、さすがに日本を代表するダンスドリルチームのメンバー達。すぐにコツを覚えてくれました。そして、茅ヶ崎の部分をそれぞれの学校名に変えて、全部のチームのコールをやりました。 終わった頃には、みんなの顔に明るい笑顔!  
100人もの高校生の気持ちをひとつにしたEに心から感謝をしました。 「さすが、ランサーズのリーダー!!」

  7月23日午後9時15分(日本時間同日午後8時45分)。
いよいよ日本チーム最後のチーム演技、茅ヶ崎高校ランサーズの演技開始です。

 「ち・が・さ・き・No1.Go,Fight,Win」  

日本選手席から、思いがけず、大きな応援コールが起きました。日本チームの選手、みんなが立ち上がって、大声援を送ってくれています。今朝、覚えたばかりのコールなのに。その姿は審査員席にいる私の目にも入りました。うれしくてうれしくてたまりませんでした。一生懸命に見届けようとしているのに、子供達の晴れ姿が、だんだんにかすんできてしまいました。
<2005-08-18>
 
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